2025/01/01

会長挨拶「2025年を迎えて」

2025年を迎え、新年のご挨拶を申し上げます。
2024年は生成AIが社会に大きく浸透した1年でした。メール作成や翻訳、さらには
プログラミングのコード生成まで、多くの作業が効率化され、私たちの働き方は大きく
変化しました。この変化は、データサイエンスの分野に新たな視点をもたらしています。

従来のプログラミングでは、コーディングやデバッグといった技術的作業に多くの時間が
費やされ、本来の目的が見えづらくなることがありました。しかし、生成AIによって
作業工程が効率化された今、私たちはプログラムの存在意義や目的により多くの時間を
割くことが可能になりました。
このパラダイムシフトにより、データサイエンティストに求められる能力も変化しています。

全体設計を俯瞰的に捉える視野の広さ、明確な目的意識、そしてプロジェクトを効果的に
推進するマネジメント能力が、これまで以上に重要となっています。同時に、プログラミング
の基礎知識や経験は依然として不可欠です。生成AIは強力なツールですが、それを適切に活用
するには、データサイエンスの原理・原則への深い理解が必要だからです。

日本ソーシャルデータサイエンス学会は、
この変革期において三つの柱を掲げて活動を展開してまいります:

  1. 人と社会への具体的な貢献
  2. データサイエンスの原理・原則に基づいた人材育成
  3. 新時代における学術的価値の確立

2月に予定されているシンポジウムでは、会員の皆様と深い議論を交わせることを楽しみにして
おります。実行委員会の方々は、対面とオンラインのハイブリッド形式で、より多くの方々に
ご参加いただけるよう準備を頂いております。

2025年も引き続き、会員の皆様のご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

日本ソーシャルデータサイエンス学会会長 水野信也(順天堂大学)